仮想通貨ZENとは?
こちらで紹介されているとおり、Zenは、対日本円為替レートが安定的に推移することを目的として作られた仮想通貨であり、「Zen」トークンの発行が、2017年7月5日午前9時から開始されたと一般社団法人ブロックチェーン推進協会(BCCC)にて発表されました。
ちなみにこのZenという名前は、「Yen」(円)の一歩先をいく通貨という意味あいを込めて「Zen」(ゼン)と名づけられたそうです。
(Yen⇒Zen)
「Zen」の特徴としては以下があげられます。
日本円との交換レートが安定的に推移するよう設計されていること
ZenはBCCC(一般社団法人ブロックチェーン推進協会)が発行主体となって、1円に相当する仮想通貨に対して1Zenを発行します。
Zenの発行はBCCCが実行し、その発行枚数の上限はありませんが、BCCCが再取得したZenは消滅させることになっています。
つまり、BCCCには常に市場で流通するZenと同じだけの日本円が用意されており、それを1ゼン(Zen = JPYZ) は1円 (Yen = JPY)との交換を約束しています。
複数種類のブロックチェーンおよび、分散型台帳上で稼働することができること
上の説明で、1Zenが常に1円以上の価値で保証されていることを説明しました。
しかし、このままでは別に円で困らないのではないかと考える方もいらっしゃるかもしれません。
Zenの特徴は円にはないブロックチェーン上での稼働があげられます。他の仮想通貨と同様に分散型台帳による記録で送金管理が行われるため、円とは違って中央機関なしの個人間送受信が可能になります。
また、イーサリアムをはじめとしたスマートコントラクトを導入することにより、運営の信頼性をブロックチェーンにより確保している点もメリットの一つとしてあげられます。
Zenの米ドル版通貨Tetherとは?
ここまで紹介してきたZenですが、何も新しいものという訳ではなく、TetherというFiat currency(法定通貨)と一対一の価値を持ちながらブロックチェーン上で稼働している仮想通貨が既に存在しています。
その中のひとつのUSDTは米ドル(USD)と1対1で交換が約束されており、Poloniex、Bitfinex、ShapeShiftなどの世界的に有名な取引所で交換することができます。
Tetherは香港の会社が運営をしており、ユーザーから法定通貨を預かった時に同額のTetherを発行し、ユーザーに法定通貨を払い戻した時に同額のTetherを破壊することで価値を担保しています。
ZenとTetherの弱点は?
ここまでの説明ではZenもTetherも仮想通貨の上位互換のような感じに思えますが、デメリットはどんな所にあるのでしょうか?
一番大きなデメリットとしてあげられるのはやはり運営が潰れる可能性があげられます。それ以外にも以下のように、運営次第でかなりリスクになる可能性があることは肝に命じておいた方がいいでしょう。
運営が潰れる可能性がある
運営が利用している銀行が潰れる可能性がある
運営が利用している銀行が資金を差し押さえる可能性がある
運営が資金を持ち逃げする可能性がある
しかし、すでにTetherは海外の取引所で成功していることもあり、信頼できる運営であれば、Zenも非常に有用なものになるのではないかと個人的には思います。
ZaifにてZenの社会実験開始
ブロックチェーンにより実装されたデジタルトークンの社会実験において、「Zen」の発行が2017年7月5日午前9時から開始され、第1号取引所としてテックビューロ社の「Zaif」での発行が可能となりました。
この実験は9月30日まで行われる予定で、順次機能も拡大される見込みです。
取引所もプレオープンしており、取引自体ははじまっていないものの、7月7日現在で、1.2円以上の買い注文もかなり多いことから、Zenへの期待の高さが伺えます。
特に暗号通貨の税制がFX同等の申告分離課税になる事を見越しての20%以上の値上がりが起こるとの見解もあり、取引開始後の値動きは要注目です。